長崎県・対馬で2月に撮影されたカワウソ(琉球大動物生態学研究室提供)

 

 

今回はホントだったらうれしい話、絶滅したと公表されたニホンカワウソが生き残っているかもというお話です。

8月17日に琉球大の伊沢雅子教授が、長崎県・対馬でカワウソの野生個体の撮影に成功したことを発表しました。

この個体の種類は分かっていなくて、現在どこにいるかも不明のままですが

二ホンカワウソの生き残りである可能性があるとのこと。

 

二ホンカワウソが最後に発見されたのは1979年、高知県須崎市の川でした。

 

それから一般の目撃情報も含めて、二ホンカワウソかもしれない個体の目撃が複数ありましたが、種類の特定まではできていませんでした。

2017年7月にも対馬でカワウソが発見され種類が調査されましたが、この時は残念ながら

「ユーラシアカワウソ」でした。

 

ユーラシアカワウソの生息地はロシア全域、ヨーロッパ、日本に近いところだと中国、韓国に生息している種類で

二ホンカワウソはこのユーラシアカワウソの亜種であると言われています。

見た目だけだと判別が難しく、判別するには隠しカメラでの撮影だけだと困難です。

フンが見つかればDNA鑑定もできるでしょうが、今回撮影された個体のフンは見つかっていません・・・。

 

ですが二ホンカワウソではないと断言することは現時点でできませんので、対馬で奇跡的に生き残っていたという可能性もあります。

今回は対馬で撮影された二ホンカワウソらしき個体の動画と、絶滅理由、生存の可能性について調べてみました。

 

sponsored link

 

 

二ホンカワウソの生き残りの可能性?動画や画像

 

まずは今回撮影に成功した琉球大学のHPのコメントを載せておきます。

 

平成29年2月6日(水)、ツシマヤマネコの生態調査のために本学理学部生物系動物生態学研究室が 設置した自動撮影カメラに、国内絶滅種のカワウソの動画が撮影されました。

日本のカワウソは明治時代までは全国に生息していましたが、 その後、分布は減少し、最後に残った四国でも1980~1990年代に絶滅したとされています。

今回の記録は高知県で1979年に最後のカワウソ生体が確認されて以来、 国内で38年ぶりのカワウソ生体確認です。

 

http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/press2017081701/

 

 

 

 

カワウソであることは確認できますね。

二ホンカワウソは尾の比率が60%程度あり長めだそうですが、素人目にはそれより短く見えるかなぁ。

性格に判別するには骨格測定したりDNA鑑定が必要です。

 

 

二ホンカワウソはなぜ絶滅したのか?

 

絶滅の理由としてよくあるのが「毛皮や角目的の狩猟による乱獲」「環境破壊・汚染」。

二ホンカワウソも場合も、その光沢のある毛皮が狙われて乱獲されました。

加えて生息地が破壊されたことも絶滅要因でした。

二ホンカワウソは海でもエサを取りますが、清流がないと生きていけない動物です。

生息地の減少ということは、「清流の減少・汚染」が大きな要因となったと思われます。

 

農薬や排水による水質悪化、高度経済成長期における周辺地域の開発、河川の護岸工事等により、生息数の減少に更なる拍車がかかった。さらに、漁具による溺死や生簀の食害を防ぐための駆除も、大きな打撃となったと見られる。

 

引用: Wikipedia

 

また、ニホンカワウソの毛皮は耐寒に優れていて、大正~昭和初期に乱獲され生息数が激減しました。

 

ニホンカワウソの毛皮は保温力に優れているため、この毛皮を求めて大正から昭和初期にかけて乱獲が進み、生息数が激減した。

このため、1928年に捕獲禁止となっている。

 

引用: Wikipedia

 

 

毛皮や薬種を目的とした狩猟に加え、生息地の破壊によって、四国を除く地域では 1955〜1960 年頃には絶滅し、四国でも 1980〜1990 年代に絶滅したと考えられています(安藤 2008、佐々木 2016)。

対馬にも江戸時代まではカワウソが生息していた記録が見つかっています。

 

http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/press2017081701/press_data.pdf

 

禁止しても密猟が続き、気づけば絶滅に追い込まれた・・・という完全に人間の仕業。

これはもう発見できたら徹底して生息地の保護に当たるべきでしょう。

観光客が来ないようにすることがまず第一ですね。

 

sponsored link

 

 

二ホンカワウソが生存している可能性

 

琉球大によるプレスリリースではこのように書かれています。

 

① 対馬において細々と生き残っていた。

② 韓国から泳いで渡ってきた:自然分布拡大。

③ 海外からなんらかの人間活動によって移動してきた:人為的分布拡大。

 

http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/press2017081701/press_data.pdf

 

①は二ホンカワウソである可能性

②はユーラシアカワウソが韓国から海を渡って対馬に来た可能性

③はユーラシアカワウソが人間の放流によって対馬に住み着いた可能性

 

を示すもの。

 

二ホンカワウソの生き残りである可能性もなくはないのですが、7月にユーラシアカワウソの個体が発見されていることを考えると可能性は低そう。

伊沢教授は

 

「大陸に分布するユーラシアカワウソが約50キロ離れた朝鮮半島から海を渡ってきた可能性も高い」

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170817-00000019-mai-soci

 

とコメントしています。

まぁ、流れが川より速いあの距離を渡ってこれるかが疑問ですが、実際にユーラシアカワウソの個体が対馬にいるのは分かっているので、二ホンカワウソだ!と騒ぐにはまだ早いですね。

 

一般の目撃情報は画像や動画付きのものもありますが、どれもフンの採取などができていなくて噂レベルの状態。

二ホンカワウソの生存が証拠とともに確認されるとしたら、環境省による調査でしょうね。

環境省は7月から調査に当たっています。

 

環境省が 7 月からカワウソの糞や巣を探す痕跡調査を始めています。新鮮な糞が発見されれば、DNA を用いて種名や個体の由来など詳しいことが分かる可能性があります。

この調査の結果は近いうちに発表されると思います。

 

http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/press2017081701/press_data.pdf

 

今は調査結果を待つしかないようですね。

生存が報告されればユーラシアカワウソとの混血を避けるために保護されたりするかもしれません。

でも一般人はなるべくそっとしておいてあげるのが正しい保護の仕方なのではないかなと思います。

 

sponsored link