蔵王で「火山性微動」「火山性地震」が観測されて
白根山に続き噴火するのでは?と警戒されていますが
そもそも「火山性微動」ってなんなのか、噴火と直接つながるのか
分からなかったので調べてみました。
「火山性微動」とは?
火山性微動は白根山でも観測されていますが、どういう条件で発生しているんでしょうか。
毎日新聞の記事によると
【 火山性微動 】
地下のマグマやガス、熱水などの流体の移動などに伴う震動。
マグマが上昇してきたときに観測される。
火山性地震と異なり長時間継続する特徴があり、噴火に伴って発生することがある。
とのことでした。
「火山性微動」は「火山性地震」と似ていますが、メカニズムが違います。
どちらも震動が起きる点では同じですが
前者はマグマやガス・熱水の移動や沸騰によって起きる震動(様々な学説あり)。
後者は地下でなんらかの破壊活動(マグマや火山ガスの体積変化や移動に由来する岩石破壊)が起きることによる震動です。
火山性微動は通常は微弱で、火山性地震よりも長く
始まりと終わりがわかりにくい震動です。
火山活動が活発になると振動が大きくなることがあったり
逆に震動がなくなることも。
また、火山性微動の有無では噴火するかは予測できません。
火山性微動が観測されなくても噴火することもあります。
ついでに火山性地震の説明
火山性地震は主に、マグマに起因する間接的な水蒸気爆発や岩石破壊などによる震動
と定義されています。
火山性地震には大きくわけて二つのタイプがあり
①噴火に伴うもの
②火山内部の活動によるもの
このうち②の地震にもさらに二つのタイプがあり
震源が深い場所で起きるものをA型(ざっくりいうと、です)
浅い場所のものをB型といいます。
蔵王の過去の噴火と火山性微動の危険性
蔵王が最後に噴火したのは1940年4月16日でした。
この時は小規模の水蒸気噴火でしたが、火砕物が降下しています。
それ以降噴火は観測されていません。
蔵王の火山性微動は、初めて観測されたのが2013年1月。
最後の火山性微動は29年4月3日。
そして今年2018年1月28日に1回、30日にも1回
13年以来の微動が観測されています。
蔵王の過去データを見る限り、噴火と火山性微動が結び付くデータはありませんが
火山性微動がなくいきなり噴火した例があります。
御嶽山(おんたけさん)です。
2014年9月11日から16日まで、気象庁は
「火山性地震の回数は増加しているが火山性微動は観測されていない」
と報じ続けていました。
そしてこの状態が27日の噴火まで続き(火山性微動は噴火11分前に初めて観測されました)
その間噴火警戒レベルはずっと「レベル1」でした。
この例からわかるように、「火山性微動の有無や噴火警戒レベルはあまりあてにならない」
ということですね。
火山性地震の観測か火山性微動の発生がわかったら十分警戒に値すると思われます。
気象庁の知らせも参考にしつつ、しかしその知らせ以上に自分で警戒しておく
ということが非常に大切であると思います。