商工中金の不正融資が今年2017年の5月に発覚して
国から業務改正命令が出されましたが
10月にもまた業務改正命令が出ました。
5月にはそんなに注目していなかった人でも
その後次々に明るみに出る日産や神戸製鋼、スバルの不正で
商工中金の不正も「けっこう根深いんじゃ・・・」
と思ってきているのではないでしょうか。
ここまでたくさんの民間企業、政府系機関までも不正をしているとなると
バレていないだけで不正が当たり前にまかり通っているような気がしてきます。
ここでは商工中金の不正内容がよくわからない!という方のために
ザックリ説明していきます。
商工中金の不正融資って?
http://www.asahi.com/articles/ASKBT3TMHKBTULFA00H.html
商工中金の正式名は「株式会社商工組合中央金庫(しょうこうくみあいちゅうおうきんこ)」
といいます。
政府系の金融機関ですが、他の政府系金融機関と違って
民間の金融機関に近いサービスを行っています。
政府と民間団体が共同でお金を出しているので
商工中金がお金を貸すときには当然税金が含まれている場合があります。
今年業務改正命令が出されたのは、「危機対応融資」として
民間企業に税金を使ってお金を貸していたからでした。
「危機対応融資」は、本当は災害や経済危機によって経営が厳しくなった企業(中小企業)が
少ない金利でお金を借りれるようにある制度でしたが
商工中金はその企業の経営状況などをきちんと調べずにお金を貸していました。
金利の分のお金は国から商工中金に補填されます。
経産省の調べでは、商工中金が不正に至ったのは
融資実績を維持するために経営陣が営業の現場に圧力をかけていたからでした。
不正融資をしていた支店名は?
10月に分かった不正の規模では次のようになっています。
- 支店数・・・ほぼ全店舗(100か所中97か所)
- 人数・・・444人
- 件数・・・4609件
- 不正融資実行額・・・2646億円
(産経デジタルより)
商工中金の不正は発覚したそもそものきっかけは
去年秋に鹿児島支店の資料改ざんが発覚したからでした。
不正が判明した口座の2割は池袋と鹿児島の2つの支店で
この2つの支店は手口を共有していたことから
不正の黒幕的な存在であると考えられます。
融資実績を上げるために、本来は対象外の企業の財務データまでも
上司が主導し改ざんしていたということも分かっていて
力のある支店の影響で他の支店にも不正が広まっていたのだと考えられます。
不正に直接関わったのは444人ですが
監督していた立場の人も含めた813人、全職員の2割にあたる職員が
降格や減給の処分を受けています。
こういう税金の無駄使いの事件で興奮して怒るのって
あんまり税金を納めていない低所得者だったりするんですよね。
国民の大部分は高所得者がたくさん払ってくれている税金にお世話になっており
高所得者がたくさん払った税金で作られた道路を使わせてもらっています。
それなのに税金の無駄使いに対しての不満の声は
たいして税金を納めていない一般人の方が大きい気がします。
高所得者はもっと税金の使い方に物申してもいいものなのですが。
商工中金と比べれば軽いですが、スバルも不祥事がありました。
不正関連で、神戸製鋼の改ざん内容についてはこちらをどうぞ。