神戸製鋼の納品物のデータ改ざんが問題視されていますが

日産自動車も記憶に新しいここ最近

不適格な検査による大量リコール(回収・無償修理)が発覚して

日本の「ものづくり」に対する信頼が揺らいでいるのでは?と

危機感を感じている人も多いですね。

 

ここでは神戸製鉄のデータ改ざんの概要を分かりやすく紹介して

納品先や倒産の可能性について触れてみたいと思います。

(最終更新日: 10月17日)

 

sponsored link

 

神戸製鉄のデータ改ざんはなぜ発覚したのか

神戸鉄鋼 改ざん アルミ

 

今回の神戸製鋼でデータ改ざんが行われたのは現在発覚しているものでは

「アルミ製品」「鉄粉」「銅製品」「鉄鋼製品」「合金製品」

13日の時点で不正があった製品は13種。

 

【追記】: 細かく分けると、以下の製品にも不正が発覚しています。

鉄鋼製品では、細かく分けると現在9種類の製品で改ざんが見つかっています(計1万1000トン超)。

  • 線材(自動車エンジンに使用)
  • 鋼線(バネ)
  • 特殊鋼
  • ステンレス鋼線(ボルト用・バネ用・電熱用・シャフト用・ロープ用など)
  • 銅管(硬さ試験のみ。マレーシアの製造所で28社に750トンを出荷、タイで1140トンを5社へ出荷)

etc…

合金製品では2社へ不適合品を12.5トン出荷。

(微量合金成分を分析せずに分析結果を入力、引張特性の一部を書き換え)

  • アルミニウム合金線
  • 合金棒

銅製品では

  • 銅板条(31トンを2社へ出荷、寸法測定結果の書き換え)

etc…

 

また、「3か所検査しなければならないのに1か所しか検査しなかった」

ことも発覚しています。

子会社のコベルコ科研でも70件の不正が見つかっています。

(DVDや液晶画面などの材料「ターゲット材」の検査データ書き換えが判明しています)

 

川崎博也社長が会見で、鉄鋼製品について「不正はない」

と答えていたのですが、翌日には鉄鋼製品などでも不正が9製品で見つかっていて

情報開示のまずさも指摘されています。

 

これらがなぜ問題かというと、言うまでもなく人々の安全に関わってくるからというのと

取引先でそれらを使用した製品が事故をおこすと

その取引先も責任が問われる・・・信頼が失墜する・・・

という理由がありますよね。

 

データ改ざんが発覚した製造所は4つでした。

  • 真岡製造所(栃木県真岡市)
  • 長府製造所(山口県下関市)
  • 大安工場(三重県いなべ市)
  • グループのコベルコマテリアル銅管秦野工場(神奈川県秦野市)

 

アルミ製品のデータ改ざんは

8月末に現場の管理職からアルミ部門の幹部に報告があったことで発覚し

社内で調査をしたところ、少なくとも過去1年に渡りデータ改ざんがあったことが分かりました。

謝罪会見は10月8日に行われました。

 

その後10月11日には「鉄紛」のデータ改ざんも行われていたことが発覚しています。

10日午前には神戸製鋼の株が大量に売られ

東京株式市場で神戸製鋼の株が300円安の1068円になっています。

13日の終値では805円になり、発覚前の前週末の株価から563円下落。

その前には9月25日に三菱UFJフィナンシャル・グループが

神戸製鋼の株保有を1%以上減らしています。

13日には時価総額約18億ドル(約2000億円)が消失する状態に・・・。

 

関わっていたのは数十人、納期に間に合うように焦った責任者が

基準未満の強度の製品でも通過させてしまったようです。

同社の広報担当者ゲリー・ツチダ氏は、「社員数十人が関与していた。経験豊かで、社内の信頼も厚いベテラン社員が品質管理を行っていたケースもあるようだが、なぜか食い違いを見つけられなかった」と語った。

http://www.bbc.com/japanese/41591484

 

不正があった部門の責任者だけが見過ごしていたのかと思いましたが

それ以外の担当者たちも「見てみぬふり」をしていた可能性が。

一連の問題では、各事業所の品質管理部門担当者だけでなく、それ以外の担当者もデータ改竄にかかわっていた可能性が浮上。工場長ら幹部も「見て見ぬふり」をしていた恐れがある。アルミ製品の中には10年前からの不正もあり、「日常的かつ組織ぐるみで改竄が行われていた」ことになる。

http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/171013/ecn17101321390040-n1.html

 

――改ざんは1年前からか。

「それ以前から改ざんがあったことも確認されている。何年さかのぼるかは顧客の要望に応じて調査している」

――どれくらい前から常態化していたのか。

「ものによってはかなり古い時期からあったと分かっている」

――かなり古くからというのは10年近く前か。

「はい」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22038960Y7A001C1TJC000/

 

13日には一部製品で2007年から不正があったことが分かっています。

 

神戸製鋼のアルミ製品が車・飛行機などに使われていた

 

今回データ改ざんが発覚したアルミ板などのアルミ製品。

量は以下のようにかなりの量が出荷されています。

  • アルミ製品(板・押出)・・・約1万9300トン
  • アルミ鋳鍛品・・・約1万9400個

 

アルミ製品は私達の身近なものでは車に使われていることが大きいです。

ドアやボンネットに使用されていますね。

ドアビームに使用されていることが安全に関わるのではないかと思われます。

ドアが外れたら怖いですよね・・・。

 

また三菱の飛行機には、翼と動体をつなぐ部分に使用されていて

これはかなり問題だなと。

あとは窓枠にも使用されています。

窓が外れたらと思うと恐ろしいですが・・・。

安全性については「問題ないと確認した」と同社が報告しています。

 

その他に私達の身近にあるものでは

JR東海の新幹線車両の台車部分に使われていることも怖いところ。

柘植社長が「安全には問題ない」と述べていますが

強度が満たすべき基準より下回っているため

これでは基準を設ける意味がなくなりますよね。

 

神戸製鋼の取引先は?

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171014-00000054-san-bus_all

 

最初の報告では不正製品の納入先は200社でしたが

のちに鉄鋼製品の改ざんも見つかったことで

不正製品の納入先は500社に拡大。

国内の取引先だけですと約6100社に及ぶことが16日に判明しています(多くが中小企業)。

 

大手では日産・ホンダ・トヨタ・マツダなど

挙げたらきりがないほど有名企業が名を連ねています。

 

自動車メーカーでは

  • トヨタ
  • 日産
  • SUBARU(スバル)
  • マツダ
  • ホンダ
  • 三菱
  • スズキ(バイクに使用)
  • (米)ゼネラル・モーターズ(GM)
  • フォード・モーター
  • (韓)現代自動車グループ(アイオニック、ニロ(NIRO)に使用)
  • デンソー

 

鉄道(新幹線)では

  • JR東海
  • JR東日本
  • JR西日本(新幹線「N700A」軸箱部分)
  • JR九州
  • 東京メトロ

 

ロケットでは

  • 三菱重工業(国産ロケット「H2A」)

 

その他では

  • 東京電力ホールディングス(福島第二原発・3号機、原子炉を冷やすための配管に使用)
  • 自衛隊(航空機、誘導武器、魚雷、ミサイルなどアルミ製品)
  • 川崎重工業(オートバイ、フレームやスイングアーム部分)
  • コマツ
  • ボーイング
  • ゼネラル・モーターズ
  • パナソニック
  • ダイキン

 

などがニュースで報道されていました。

また、米航空機大手のボーイング(BA.N)でも使用されていることが結構大きいですね。

翼と動体をつなぐところにアルミ製品が使われていたんですね。

今のところ安全上の問題はないと報告されているのですが・・・。

翼が動体からはずれるなんて最悪な事態にはならずとも

日本製品が多く使用されている上に2013年には

ボーイング「787」に内蔵されたリチウムイオンバッテリーから煙があがって

運航停止になっていますから

今回のアルミ製品のデータ改ざんで大きな問題が起こらないともいえませんね。

 

 

さらに英高速鉄道も取引先の一つに入っていました。

ここまで見てみると、「人の移動に関わるもの」に多く関わっていますね。

 

福島原発の部品については

部品交換前で東電の倉庫に保管されており、「原発の安全性に問題はない」と発表されていました。

寸法を計っていないのに、計ったように装っていたとのこと。

 

韓国の現代自動車グループも、「安全に問題はない」と報告しています。

「アイオニックとニロは衝突テストなどを経て安全基準を満たした状態で発売された」

と、欧州の自動車安全テスト「ユーロNCAP」で

アイオニックは五つ星、ニロは四つ星で通過したを伝えています。

 

JR西日本では新幹線の部品の一部が「強度基準」を下回っていたと報告していて

その製品が使われている部分が、左右のタイヤをスムーズに回転されるためにはめられる

タイヤの外側にある軸箱に使われていたといい

これが外れてもし後輪に巻き込まれたら・・・

と考えると、もしかしたら大事故につながってしまうかもしれません。

 

のちの調査により、製造会社の神鋼メタルプロダクツでは「銅合金管」「モールド」で不正が見つかっています。

銅合金管で約700トン、顧客数42社

モールドは約5300個を137社の顧客へ出荷。

 

どこも「安全性に問題はない」と言っているところばかりですが

安全性に問題が起きないギリギリのラインで改ざんしていたから

社内でも見過ごされていたのでしょうか?

強度に関わる改ざんは、安全を100%保証するために基準が設けられているのですから

今回みたいに「性能より納期優先」で行ってはいけないものですね。

 

sponsored link

 

神戸製鋼の倒産の可能性は?

 

10月11日に神戸製鋼は合併した神鋼不動産を売却しています。

そのほかにも神戸製鋼は顧客離れを見越して

売却できる資産をリストアップしているところ。

 

「倒産の可能性が高いんじゃない?」と不安視する人も多いですが・・・

米のボーイング社で神戸製鋼のアルミ製品が使用されているのが見つかれば

あちらの国はすぐ訴訟を起こすイメージがありますし

多額の、倒産に追い込まれる額の賠償金を請求されるかもしれません。

 

神戸製鋼への賠償金に税金が投入?米ボーイング社やGMの対応は?

 

ボーイング社でなくとも、取引先企業の一つでも賠償金を求めれば

顧客離れと重なり倒産やバイアウトの可能性は十分あると思われます。

 

自動車に関しても、回収し修理することになれば

費用負担を求められ、こちらも大きな負担になります。

「顧客離れ」「賠償金」「費用負担」

などが重なり存続が危ういという見方が強い状況です。

 

ただ、トップシェアを誇る大企業が倒産したら

そのトップシェアの分野に携わる下請けなども打撃を受けて次々倒産しかねない・・・

という問題が。

アルミ圧延品の国内シェアは、UACJの約34%と首位に続いて

神鋼は2位で約18%。

1位ではないものの、長年日本の発展に寄与してきた大企業だけあり

破産してしまえば日本経済にも暗雲がかかりそうです。

 

倒産は行き過ぎた予想だとしても、銀行融資で立て直せなければ

買収はありそうですね。

 

買収先企業と賠償を求めている取引先についてはこちら

 

中国製品が信用できないとか、韓国の事業が穴だらけとか批判的に見ていましたが

中国や韓国製品の批判をしている場合ではありませんね。

 

神戸製鋼の株価は暴落した後徐々に上がり続けていますが

公的資金が投入されている可能性についても下の記事で書いています。

神戸製鋼の株価は今後どうなる?暴落しても上がり続けるのはなぜか

 

sponsored link