9月15日、またも北朝鮮がミサイルが発射した。
そしてまたも同じような軌道で北海道の襟裳岬東に着弾したという。
「なぜしつように北海道側に発射するんだ?」
と私が北海道民だったら思うだろう。
「まさか北海道が標的じゃ?」
と不安になって、可能なら北海道から脱出するかもしれない。
北朝鮮はなぜ、日本のしかも北海道に向けて毎回撃ってくるのだろう。
今回はその理由についてニュース記事から紹介しよう。
北朝鮮ミサイル発射の背景にはロシアが関係?
これを読んでいるあなたは、北朝鮮の技術的な後ろ盾がロシアだということを知っているだろうか。
北朝鮮について疑問を持ってこうして検索しているのだから聞いたことがあるかもしれない。。
北朝鮮がここまでミサイル開発してこれたのは、ロシアの技術的な協力があったからだとも言われている。
ロシアと北朝鮮にはミサイル技術以外でも、他の国と比べて結びつきが強い。
5月に北朝鮮がロシア極東のウラジオストク方面へミサイルを発射したのと同じ週、北朝鮮はウラジオストク港との間に定期航路を新設した。
北朝鮮は国家として自給自足を目指す一方、ロシアとの間に驚くほど多くの経済的な結びつきを持っている。
2国は石炭や石油製品を調達し合い、とりわけ燃料不足に悩む北朝鮮側に恩恵を与えている。
「テレビ局の記者に聞いたのですが、北朝鮮は経済制裁を受けているのに、平壌は想像以上に栄えていてびっくりしたそうです。
これは、ロシアの援助によるものでしょう。14年から、北朝鮮ではロシアの通貨であるルーブルが使えるようになっています。
シベリアの小さな銀行に北朝鮮の口座がたくさん開かれており、そこにロシアやアジア諸国からのお金が、マカオを通じて流れ込んでいるのです。
また、北朝鮮の労働者が3万人くらい極東ロシアに入っています。
ロシア側は1日7000円くらいで雇っているのですが、彼らの受け取る日当は300~400円ほど。残りのお金は、北朝鮮が国家でピンハネしているのです。金正恩政権は、そういう手段でも懐を肥やしています。
5月から、ウラジオストクと羅津港の間で北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号の定期運行が始まりました。
これはまさに、影の存在だったロシアが表に出てきたということですよ」
経済的な結びつきが強ければ、普通は核開発にも協力しているのではと疑うが、その疑いは現実のようだ。
一見、「孤立を深めるだけ」とも取れる北朝鮮のミサイル発射は、何を意図したものなのか?
ロシア情勢に詳しい政治学者で筑波大学教授の中村逸郎氏に話を聞いた。
「ミサイルを飛ばしているのは、北朝鮮ではなくてロシアですよ。北朝鮮にあるミサイルのほとんどは、ロシア製です。
それに、すでに北朝鮮にロシア兵が入り込んでいる可能性が高い。
ウラジーミル・プーチン大統領は『北朝鮮が核保有国であり続けてもかまわない』と思っているんです。
北朝鮮にある40kgのプルトニウムのうち、30kgはロシアが持ち込んだものです。核弾頭1発に必要なのは4~6kgなので、北朝鮮は6発分くらいのプルトニウムを保有しています」(中村氏)
北朝鮮のミサイル発射は、ロシア主導によるものだったというわけだ。
北朝鮮は完全にロシアにシフトしていき、ロシアの新聞には『事実上の軍事同盟を結んだ』とも報じられています。
15年5月に北朝鮮の人民武力相の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)が、金正恩が出席する行事中にうたた寝をしていたということで処刑されました。
その3日前まで、彼はモスクワにいたんですよ。そこで、ミサイルの買い付けに失敗した。それが処刑の真相です」
2017年5月のミサイルといえば、ロシアのウラジオストク付近に着弾していた。
北海道近くに着弾した日本はこれだけ危機感を抱いて警戒しているのに
ロシアは「北朝鮮がロシアにミサイルを発射しない」ことを知っているかのように
余裕の姿勢なのだ。
これは何かおかしいだろう。
「14日のミサイルが落下したのは、ウラジオストクから約90kmの地点。ウラジオストクといえば、ロシア海軍の太平洋艦隊も原子力空母もいるところです。
そんなところにミサイルを落とすなんて、普通に考えれば、ロシアに戦争を仕掛けているようなものじゃないですか。
それに対して、プーチンは滞在中の北京で『ロシアにとって直接的な脅威とは考えていない』と言いました。
ソ連だって北朝鮮の政策がアメリカに変えられて、実質(日本のように)アメリカの同盟国になっては困るわけだ。
アメリカの同盟国をなるべくロシアの近くに置きたくないのがプーチン大統領の本音だ。
近くに置いてもらっては米軍基地を作られるだろう。
それは、ロシアは見逃せないのだ。
北朝鮮をコントロールするのが難しいと悟ったアメリカは、韓国と軍事訓練を始めた。
韓国を同盟国に引き入れようとしているのだ。
それにロシアと中国が反対しているのは、この2国も北朝鮮のように
アメリカの勢力が拡大するのをよく思っていないからなのだ。
では北朝鮮はなぜ北海道に向けて発射するのか。
また日本を標的にしてくる可能性はどれくらいあるのだろう。
日本はアメリカの同盟国。
すでに「海に沈める」と脅迫された敵対国だ。
特に北海道はこれまでのミサイル経路を見ていると標的になりやすそうだが、どうなのか見てみよう。
北朝鮮はなぜ北海道にミサイルを発射するのか?
「日本側なら他にも狙える場所があるだろう」
と私や世間の多くは思ったと思うが、実は北朝鮮にはミサイルを日本本土に向けて発射できない理由がある。
北朝鮮は火星12号を「グアム攻撃用戦略兵器」と位置づけている。
北朝鮮から長距離ロケットを発射する場合、距離を稼ぐことを優先するなら、地球の自転を利用して真東に打ち出すのが有利だ。
だが日本の本州を横切るコースで発射すると、制御不能となった場合にグアムやハワイの方向にそれる可能性があり、そうなるとアメリカに間違ったメッセージを送ってしまうリスクがある。
また北寄りに発射した場合は、無事に飛翔してもロシアの領空を通過するし、無事でない場合はロシア領内のどこかに落下する危険性がある。
そのような事故が起きれば、北朝鮮の技術的な宗主国であるロシアの後ろ盾を失いかねない。
結果、8月29日の火星12号発射は極めて限られた「狭い回廊」を飛ばすこと専念したと見られる。
北朝鮮とて実際にアメリカの領土を攻撃してしまえば間違いなく報復を受けることは分かっている。
だから「反撃できる力があるぞ」ということだけ見せつけるために(今のところはだが)
「グアム攻撃用戦略兵器」である火星12号を使って
「正確な」着弾を実現している。
青森県にあるアメリカ軍のミサイルレーダーに火星12号の完成度を見せつけ
アメリカを牽制しているのだ。
また、青森県津軽郡の航空自衛隊車力分屯地には、アメリカ陸軍が運用する終末高高度防衛ミサイル(THAAD)用のXバンドレーダーが設置されている。その目と鼻の先を横切ることで、外交カードのひとつである火星12号の存在と完成度の高さを誇示し、併せて日米側の防衛体制の情報収集も行ったのだろう。
北朝鮮のミサイルが北海道に着弾する可能性は?
では北朝鮮は北海道に着弾させる気はないのか?
「今のところは」威嚇に止まっているようだ。
だがおさえておきたいのは、基本的にICBMやSLBM(潜水艦発射弾頭ミサイル)などは、
アメリカを挑発(あるいは実際に攻撃)するためのもので、日本を標的にするならば、
北朝鮮がすでに300発以上保有していると言われる中距離ミサイル、ノドンやスカッドで十分だということだ。
北朝鮮の今の技術的にはミサイル攻撃で北海道を攻撃することは十分可能であり
青森県にあるミサイルレーダーを正確に破壊することもできるだろう。
核弾頭も完成間近とも言われており、すでに完成しているのかもしれない。
北朝鮮が北海道上空を越えてミサイルを発射しているのは
実は「青森にあるアメリカのミサイルレーダーを狙っている」
という話もある。
今は威嚇で上空をかすめているだけだが、その気になれば破壊できることを
あえて外すことでアメリカにアピールしているのだ。
しかし、その「日本上空」は「北海道の渡島半島や襟裳岬の上空」(菅義偉官房長官会見)ではなく、もう少し南に下がった津軽海峡沿いの上空であった。
同海峡沿いには青森県側に海上自衛隊の竜飛警備所、北海道側に同松前警備所、松前警備所白神支所、同函館基地隊が点在するが、肝はXバンドレーダーが配備されている航空自衛隊車力分屯基地だ。
(中略)
つまり、こういうことだ。北朝鮮は敢えてXバンドレーダー配備の車力分屯地や巨大アンテナ設置の三沢安全保障作戦センターの上空(高度約500キロ)をかすめるように弾道ミサイルを約2700キロ飛翔させてみせたのだ。北朝鮮の弾道ミサイルの飛行精度はかくも高くなっているのだ。
それでもまだ「威嚇」にとどまり北海道に着弾していないのは
「日本の青森にある、アメリカのミサイルレーダー上空をかすめることによって
アメリカの『金正恩政権を崩壊させるもくろみ』を撤回させるため」
である。
金正恩がなぜアメリカをこんなにも敵対視しているかといえば
「アメリカが金政権を崩そうとしているから」なのだ。
そんな脅しをしてくるから北朝鮮は核武装せざるをえなくなってしまった。
北朝鮮という国ができたきっかけであるロシアは、いわば北朝鮮の親。
親であるロシアからすれば「アメリカが余計なことをいうからうちの息子が怒ってるんじゃないか」
というように感じるのかもしれない。
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